「喉が詰まり、高い音が取りづらい…」
オペラ歌手のパッサッジョ低下を胸郭へのアプローチで改善した事例
年代・職業:20代 声楽家(テノール) / 主訴:断続的な喉の詰まり、高音の出しづらさ
― 数カ月前から断続的な喉の詰まりに悩まれていた20代オペラ歌手(バリトン)のお悩み
当院には声楽家やプロのボーカリストの方も多くご来院いただいております。こちらの患者様は、数カ月前から高い音が取りづらくなる症状を抱えておられました。
当院にご来院される少し前に喉の専門院(耳鼻咽喉科)を受診されていましたが、声帯ポリープや炎症といった器質的疾患は認められなかったとのことでした。
動作の分析:原因は喉ではなく「胸郭の可動性低下」
実際にハミングで徐々に音程を上げていってもらい、つまり感や音の出方を確認していただきました。
治療家である私自身には音程の僅かな違いはほぼ聴き取れませんでしたが、繊細な感覚が求められるプロの世界では、この「わずかに落ちているような感覚」がパフォーマンスに直結する大きな問題となります。
患者様の感覚的な訴えだけでなく、全身の関節の可動域を詳細にチェックしたところ、肩関節および首の可動域制限、そして身体が捻りづらいという点が見つかりました。
首・肩の硬さや体を捻りづらい状態は、発声において極めて重要な「胸郭」が十分に広がらない、動かない状態になっている証拠です。
本来なら胸郭全体を使って出すべき高音を、胸郭が動かない分、無意識に「喉周辺の筋肉を過剰に締めて頑張ってしまう」ことで補おうとしていた可能性が高いとお伝えしました。
体幹と首肩への施術による感覚の正常化
治療は、直接的な原因となっている喉回りだけでなく、根本原因である「胸郭の可動性」を取り戻すため、肩と首、そして腰と体幹をメインにアプローチを行いました。
◆ 初回施術直後
治療後、もう一度ハミングで音を出していただいたところ、「感覚が元に戻った!」と大変喜んでいただけました。2か月後の本番に向けて、ご自宅でできる自己ケアをお伝えし、2週間後の再来院をご提案しました。
◆ 2回目(2週間後)
その後は音の取りづらさや喉の詰まりが出ることはなく、問題ないとのことで完治となりました。今後は、本番前のメンテナンスとして当院を上手く活用していただくようお伝えしました。
専門医で異常なしと言われた音楽家・ボーカリストの方へ
声楽や楽器演奏など、繊細な身体操作が求められる専門分野において、「病院で検査をしても異常がないのに、思い通りに身体が動かない・音が出ない」というケースは非常に多く存在します。
これらは器質的な病気ではなく、疲労や姿勢不良からくる「関節の可動域低下」と、それを補おうとする「代償動作」が原因であることがほとんどです。局所(喉)だけを見るのではなく、全身の繋がりを整えることで、本来のパフォーマンスを取り戻すことができます。
「休め」と言われて困っている方、原因不明の不調や代償動作で体を痛めている方は、一人で悩まずにぜひ当院へご相談ください。
