• 膝前面の痛み(ジャンプ・プリエ・着地時)
  • 膝外側の痛み(腸脛靭帯ライン)
  • 膝内側の痛み(鵞足部・内側支持機構)
  • 膝裏の張り・違和感
  • プリエでの引っかかり感
  • 伸ばしきれない
  • 膝蓋骨周囲の違和感
  • 膝の腫れ・熱感(急性期)
  • 抜けそうな感覚
  • 変形性膝関節症

少し専門的な内容も含まれますが、膝症状の背景理解として参考にしてください。

研究報告では、

ダンサーにおける膝障害は足部・足関節に次いで頻度が高い部位とされています。
➤バレエにおける筋骨格系損傷の発生率と有病率:系統的レビュー

特に、

・ジャンプ動作
・プリエの繰り返し
・ターンアウト維持

が関係すると報告されています。

また、ダンサー傷害の多くは
急性外傷よりもオーバーユース障害が主体です。

つまり、

膝の症状は「突然壊れる」というより、
少しずつ積み重なって出るケースが多いという特徴があります。

膝は単独で壊れることは少なく、
股関節・足関節の影響を強く受けます。

主に次の3方向から考えられます。

A|関節可動域要因

関節可動域制限(動かしづらさ)は、力の逃げ場を失わせます。

例)

  • 足関節の可動域制限
    → 荷重の分散ができない
     → 外ももが張りやすい
  • 股関節の外旋制限(内巻き)
    → 膝内側ストレス増加
     →内側側副靭帯損傷

B|筋機能要因

筋肉は「出力」だけでなく「制動」も担当します。

軸を保ったり、膝を伸ばし切ったままにするなど、
使う筋肉と同時に、保つ筋肉も大事です。

例)

  • 内転筋の筋出力低下
    → 軸の不安定感
     → 骨盤の倒れ、肋骨の開き
  • ハムストリング機能低下
    → 前十字靭帯ストレス増加

C|運動連鎖破綻

騙し騙し動き続け、代償動作が定着すると、
神経系が書き換わります。

例)

  • 股関節で支えられない
    → 膝で吸収
     → 膝周囲過負荷
  • プリエが浅くなる
    → 着地衝撃吸収低下
     → 関節ストレス増大

これを続けると、他の関節・筋肉の症状もでてきます。

多くの場合、次の経過を辿ります。

ダンサーは特に、
「痛みがあっても動ける」期間が長く、慢性化しやすい
という特徴があるとの研究報告もあります。

炎症の治療

急性・慢性問わず炎症を取り除くことが最優先です。

膝は筋肉の炎症(筋膜炎、肉離れなど)だけでなく、
関節内部での炎症が多く、ケガにしていない部位まで波及していることもあります。
(前・後十字靭帯、内・外半月板、関節包、など)

股関節の影響

股関節からの影響を多大に受けています。

患部の治療と共に、股関節のポジショニングを正していくと、
膝の負担軽減につながります。

正しい身体操作

動作再教育(正しい動かし方)をすることで、
再発のリスクを減らします。

クラシックバレエでは何をするにもプリエを。
新体操では大ジャンプなど、
競技特性を踏まえた再学習が重要です。

できること

  • 急性期・慢性期の治療
  • 各関節の可動域評価
  • 動作分析
  • 競技特性によっての復帰までの過程と判断
  • テーピングなどによる復帰支援
  • 改善後、動作の再教育
  • 重篤疾患かどうかの判断
  • 専門医への紹介

やらないこと・できないこと

  • 骨折の治療
  • 靭帯完全断裂の外科治療
  • 全身性疾患由来の膝症状
  • 膝だけへの対症療法
  • 電気治療のみ
    マッサージのみ

膝障害は関節単体ではなく、

股関節機能× 足部機能
× 動作パターン
× 練習負荷量

で決まることがほとんどです。

そのため、

解剖学
運動学
理学療法
競技理解

この4つが揃って、
はじめて再発予防まで到達します。

膝の違和感は、
「まだ踊れるから大丈夫」
の段階で介入するほど、回復は早くなります。