■ よくある状態

  • 高音になると喉や胸が苦しい
  • 息が最後まで持たない
  • フレーズ終盤で声が押し出しになる
  • ブレスが浅い
  • 吸気で肩が上がる
  • ロングトーンで体幹が固まる
  • 歌うと背中が張る
  • 肋骨下が開いたまま戻らない
  • 過換気気味になる
  • 声帯炎症を繰り返す

少し専門的な内容も含みますが、治療の背景理解のご参考にしてください。

呼吸補助筋優位の呼吸パターン

研究では、
声楽やヴォーカルは高い筋骨格症状の発生率を示し、
特に首・背部・体幹周囲は頻発部位とされています。

結果
呼吸補助筋過活動(使い過ぎ)

胸郭の可動性の低下

呼吸効率低下

つまり
本来は横隔膜中心で行う呼吸を、首・胸・肩で代償している状態

参考
ミュージシャン筋骨格症状疫学研究

胸郭拡張固定(吸っている方が強い)

歌唱では「吸い続ける意識」が強くなりやすく、
胸郭が拡張位で固定されやすい傾向があります。

結果
呼気筋の機能低下

息のコントロール低下

声帯への過負荷

つまり
吐く機能が弱く、声帯を使い過ぎてしまう状態

体幹協調性低下

横隔膜・腹横筋・肋間筋などを代表するインナーマッスル

このユニットの協調低下は、
呼吸効率・体幹安定性双方に影響します。

結果
胸郭のコントロールの低下

声帯負担増加

疲労蓄積

に繋がります。

呼吸・胸郭ストレスを放置すると

  • 呼吸補助筋の疼痛
  • 肋間筋の過緊張
  • 胸郭出口症候群様症状
  • 慢性頚部痛
  • 声帯の慢性炎症

歌手ではさらに、

  • ハイトーンの取りづらさ
  • 声量の低下
  • 息漏れの増加
  • ロングフレーズ不可
  • 疲労感の増大

といった症状が見受けられます。

炎症・負荷のコントロール

声帯の炎症を取ることはもちろんのこと、
呼吸筋や、強調する筋肉へのアプローチは大事です。

胸郭だけではなく全体の可動性

胸郭の可動性は大きく影響します。

庇って肋骨が開いてしまったり、
治そうと骨盤が前傾してしまったり、
肩で呼吸したりしないように、

胸腰椎の可動性、肩関節の可動性も重要です。

呼吸と体幹の協調回復

歌唱時でも
体幹が「固める」ではなく
「支えながら動く」状態が望ましいです。

立ち方、インナーマッスルの使い方、胸郭の使い方

それらが上手く機能することが改善に必須です。

できること

  • 呼吸動作分析
  • 胸郭可動域の改善
  • 呼吸筋機能の改善
  • 姿勢・歌唱姿勢の評価
  • 再発予防セルフケア

できないこと

  • 直接、声帯の炎症を取る事
  • 声帯器質疾患の治療
  • 感染症由来の声障害
  • ホルモン由来声変化


身体全体が楽器という表現をよくされますが、
治療の観点においても、それをとても大事にしています。

踏み込みや体重のかけ方で発声が変わる。
と、プロの方に教えていただきました。

発声法や、ジャンルによって使い方は様々で、
調整する筋肉、関節も違います。
治療の際はぜひ細かくお伝えください。